心の「古傷」が痛むとき

 

あなたは、「古傷が痛む」という経験がありますか?
大きな怪我をされた方は、しばしば、体調や気候のせいで「学生時代に痛めた膝が痛い」などと言いますよね。

 

私はスポーツには全く縁がなく、突き指も捻挫もしたことがない人間なのですが、そんな私にも「古傷」があります。

それは、ピアスの穴です。

実はピアスを全然しなくなってから15年は経っているんですけど、いまだに穴がふさがりません。
耳たぶを触ると、コリコリ硬いものがあるんです。小さなトンネルみたいなのが貫通したままなんですよね。しかも、いまだに時々、膿むんです。疲れた時なのか何なのかわかりませんが、ピアス穴からジクジクと汁が出ます。ピアスをしていた時には、特に腫れるとか膿むとかいうことはなかったと思うんですけど・・・

 

身体の「古傷」と同じように、心の傷も、あとになって、つらい症状がぶりかえしてくることがあります。

 

 

◆◆◆ 赤ちゃんとのお別れで、心に残った傷あと ◆◆◆

 

 

赤ちゃんを亡くしたことで、あなたは深く傷つきました。


年月が経てば、傷は一応ふさがり、血がほとばしるような痛みは和らいでいるかもしれません。
でも、傷あとは、残っているのです。

 

もしかしたら、赤ちゃんとお別れした当時は、「なんでもないことだ」と自分に言い聞かせ、悲しみに蓋をして、何事もなかったかのような生活をされていたかもしれません。

でも、それは、何の手当てもしないで傷を放置してしまったのと同じこと。
ときどき、「痛いな」と思いながら放置していたら実は骨折で、気づいたときには変な形で骨がつながってしまってた、なんて話を聞きますよね。それと似ています。

 

そしてもちろん、もし、赤ちゃんとのお別れを経験して日が浅い方であれば、
そんなトラウマ的体験のあとで元気いっぱいでいられるはずがありません。

 

◆◆◆  心の傷のケアとは ◆◆◆

 

人の心は複雑だから、「こんな症状は、この傷のせいです」なんて言えるものではないですけど、
流産・死産・新生児死などを経験したあなたには大きな傷があるのは間違いないのだから、
他の人にとってはなんでもない出来事のせいで調子を崩す可能性は、大きいです。

 

だから、具合が悪いと感じたときには、どうぞ自分をいたわって、ケアをしてあげてください。

 

どんなケアが適しているのかは、人にもよるし、様子にもよります。

 

ゆっくり寝る、好きな音楽を聴いてゆったりすごす、などの休息が必要かもしれないし、
スポーツやゲーム、外出などの発散系がいい場合もあるでしょう。

こういう「気晴らし」って、とても大事です。

 

でも、もしあなたが、赤ちゃんとお別れした経験やあなたの想いを誰かにじっくり聞いてもらったことがないのであれば、
その悲しみを誰かに話し、聴いてもらう時間をつくることが、最も必要なケアではないかと思います。
これは、手当てをしないままだった傷を、きちんと治療することにあたります。

 

 

◆◆◆ 心のケアは、相手を選んで ◆◆◆

 

親身になって聴いてもらえなければ傷をえぐるだけですし、身近な人にはかえって本音を話しづらいという場合もありますから、

赤ちゃんを亡くした経験者が集まる「お話会」への参加をされてみてはいかがでしょうか。

また、有料にはなりますが、プロのカウンセラーを利用することもお勧めします。


 

私も、あなたの話を聴き、あなたの力になりたいと思っているひとりです。よかったら、声をかけてくださいね。

 

こちらから、お問い合わせください

 

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