働く女性の5人に1人が、流産を経験している。
そんな報道が、「news zero」で放映されました。
◆◆◆ 流産経験者は、職場に大勢いる ◆◆◆
5人に1人というのは、けっこう高い確率ですよね。
私自身の実感からいっても、
職場で「流産経験者の支援に関わっている」という話をすると、
「実は私も流産をしたことがある」と応じる人は、かなり多かったんです。複数の流産経験を持つ人と出会うことも珍しくありませんでした。
ですから、この「5人に1人」という数字を聞いて、私は
「そんなに多いのか」という驚きと、「やっぱりな」という納得とを、同時に感じました。
◆◆◆ 全労連「妊娠に関する調査」◆◆◆
「news zero」の挙げた「5人に1人」という数字のでどころは、おそらく2015年の全労連のアンケート調査結果でしょう。
「報道各社へ」として全労災から出された「働く女性の妊娠に関する調査」には、次の記載があります。
◆妊娠中の 1 日の労働時間 「約 8 時間」が最多、『9 時間以上』は 1 割半
◆正社員・正職員では『9 時間以上』が 4 人に 1 人以上
◆『9 時間以上』働くことが多かった 早産した人では 4 人に 1 人、流産してしまった人では 5 人に 1 人の割合に◆妊娠中の働き方 「立ったままの仕事が多かった」37%、「重い物を持ち上げる仕事が多かった」14%
「ノルマなどストレスの強い仕事があった」は 10%
◆肉体的・精神的負担が掛かる仕事をしていた割合は、順調だった人より早産・流産した人のほうが高い傾向
このように記して、妊娠中の職員についての配慮の必要性を示唆する内容になっています。
さらに、妊娠中の働き方が、妊娠・出産に関するリスクを高めることについての知識が不足していたり、
勤務上の配慮が受けられるのだということの周知が十分でない実態も、このアンケートからは浮かび上がっていました。
◆◆◆ 情報も知識もなく ◆◆◆
私自身の妊娠・流産の経験を振り返ってみると、たしかに知識も情報もなかったなあと思います。
そして、それ以上に、自分の中に、妊娠していても、流産したあとでも、仕事はシッカリやらなくちゃいけないもんだ という思い込みがありました。
私は、赤ちゃんの心拍停止が分かってから、自然流出を待つのではなく、掻爬手術を受けるという選択をしました。
それは、「仕事中に大出血なんてことになったら困る」、つまり職場に迷惑をかけてはいけないという考えからでした。
そして、手術当日も、午前中は出勤し、午後から半休を取って病院に行きました。
その日は病院で一泊となったのですが、翌朝退院すると、午後からは出勤したのです。
休暇制度があるかもなんて思いもしなかったし、
知ったとしても、休まなかったでしょうね・・・。とにかく、仕事に穴を開けてはいけないという思いがありました。
もし私が上司だったら、当時の私に「流産というのは大変なことなんだから、休みなさい。仕事の方はなんとかする」と言ってあげたいです。
そのころの私の上司は、決して冷たい人ではなかったのですが、私の事情を知っても、勤務に関する特別な配慮は何もありませんでした。
とにかく私も職場も、流産というものがどんなに大きなダメージを与えるものなのかを、全然わかっていなかったんですよね。
◆◆◆ 流産・死産した女性への配慮を ◆◆◆
「news zero」では、死産経験から不安障害になり、十分回復したとはいえない状態で復職した女性の事例が紹介されていました。
流産・死産等に問題に関して、人の心情と、制度との両面で、支援が進んでいくことを強く願います。
あたりまえに配慮され、あたりまえに支援を要請できる、そんな世の中になっていきますように。
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