圧倒的な癒し空間:豊島美術館


◆◆傷つき・悲しみのときの、旅の効用◆◆


先日、アートの島として有名な瀬戸内海の島、直島・豊島へ行ってきました。
ずっと興味はあって、行ってみたいと思っていたのですが、ようやくの訪問です。

このブログは、流産・死産等を経験された方を思いながら運営しているものなので、「それでなぜ旅行の記事なの」と思われるかもしれませんね。
悲しみのどん底で、旅行なんてとても考えられない・・・というお心の方もおられると思います。

でも、あえての、旅行の記事なのです。

日常生活を離れて、別の場所に身を置いてみる。
旅に出ることは、悲しみを胸に宿しながらも、何かが少し変わる・・・そんな貴重な時間になると思います。

 

◆◆一人旅もいいものです◆◆

この旅行は、私にとって実に23年ぶりの一人旅でした。

ひとりだったので、本当にゆったりと羽根をのばすことができました。
同行者を気遣う必要がないので、気に入ったらいくらでもそこにいることができる・・・好きな場所で、一人ぼおーーーっと過ごす時間、とてもよかったです。まさに癒し旅でした。

 

ただ、私は一人で訪れましたが、一人旅なんて落ち着けないという方もおられるでしょうし、心地よい旅のスタイルは人それぞれですよね。

パートナーの方とご一緒に癒しの時間をお過ごしになるのも、もちろんいいと思います。
また、亡くなった赤ちゃんを想いながら、赤ちゃんに素敵なところに見せてあげるというお気持ちで旅をされるのも、尊い時間になると思います。

 

◆◆究極の癒し空間、豊島美術館◆◆

中でも、格別の癒し空間だったのが、豊島美術館です。

豊島美術館は、女性アーティスト・内藤礼さんと、建築家・西沢立衛さんによるコラボレーション・アートスペースです。

そこにあるのは、内藤礼さんのアート作品ただひとつ。そのためだけの美術館なのです。
というよりも、内藤礼さんのアートのコンセプトに建築家が応答し、一緒になって作り上げた特別な空間、と言う方がいいかもしれません。

その場所は、一本の柱もない有機的な曲線構造。大きな丸い天窓から自然光が差し込み、外からの風や鳥のさえずりが優しく入り込みます。

床面からは、少しずつ泉が生み出されています。水滴が寄り集まって不思議な形体になり、やがて低い地点へと緩やかに流れて、大きな水面となっていきます。

静かに生み出されてはめぐる、いのちの営み。優しく包み込まれるような安心感、平和の感覚。

あの場所で感じたことを、一生懸命ことばにしようとしているのですけど、どうにも言葉にならないですね。とにかくもう、究極の癒し空間なんです。

私は1時間以上、座って、ぼやーっとして過ごしました。
バスの時間に間に合うように出たけど、それがなかったら、それこそ何時間でもいられたと思います。

豊島美術館、とにかく素晴らしいところです。傷ついている人、疲れている人に、是非おすすめします。
他の観光スポットは何ひとつ行かずに、この島のこの美術館だけをめあてに行ってもいいくらい、値打ちがあると思います。ぜひ癒されに行ってみてほしいです。

 

豊島美術館の情報は、以下に公式サイトのリンクを貼っておきます。

公式:豊島美術館の紹介ページ

 

◆◆旅の計画もまた癒しの時間◆◆


一泊二日の旅では巡り切れないほどのアートと出会える島の旅。また絶対行こうと思っています。

次回は、違う時間帯の豊島美術館を狙うつもりです。
朝いちばんの入場だと、何もない状態から泉が最初に生まれる瞬間に立ち会えるそうですし、夕暮れの消えゆく光の中で見るのもすてきだろうなあ・・・。

旅って、こんなふうにただ思いめぐらすだけの時間もまた、いいですよね。

 

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