流産の経験を話すことはタブーなのか:「Grief Unseen」より

Grief Unseen」

アメリカのアートセラピスト、ローラ・セフィルの著書「Grief Unseen Healing Pregnancy Loss through the Artをご紹介していこうと思います。

著者、ローラ・セフィルは、流産を経験し、以降、「妊娠ロス」の悲しみに寄り添う活動をしている方です。
彼女は、流産・死産・新生児死に加え、不妊、人工妊娠中絶も含めて、妊娠にまつわる喪失を「妊娠ロス」として等しく扱っています。

妊娠にまつわる喪失への理解が乏しい中で活動してきたローラ・セフィル。
幅広い見地から書かれたこの本のエッセンスをお届けしていきます。

 

◆◆「Grief Unseen」とローラ・セフィル ◆◆

 

ローラ・セフィルは、流産経験だけでなく、学生時代には人工妊娠中絶の経験もあることを、著書の中で明らかにしています。
その苦しみと、アートによる癒しを体験したことから、彼女は妊娠ロスの問題にアートという武器を持って取り組み始めました。

 

彼女の大きな功績のひとつは、「シークレット・クラブ」というプロジェクトです。

これは、多くのアーティストに呼び掛けて実現させた、妊娠ロスをテーマにしたアート作品の展覧会です。このことによって、語られないまま沈黙の沼に沈めれらていた声を公にしようとしたのです。

 

◆◆「Grief Unseen」と私 ◆◆

 

私は、自分自身流産を経験し、その後アートセラピーを学ぶ中で、自分の中で向き合うことなく放置されていた悲しみに気づきました。
そして、赤ちゃんを亡くす経験をした方の気持ちに、アートセラピーの力を借りてやっていきたいと思うようになったんです。

しかし、この問題に取り組んでいるアートセラピストの著書や論文は、日本では、ほぼ見当たらず・・・。

 

手探りでアートセラピーのプログラムを考え始めていた頃、
私のスーパーバイザーだった先生から、「Grief Unseen」を紹介されました。
「もう知っているかもしれないけど」と言いながらのご紹介でしたから、アメリカではよく知られた本なのかもしれません。

残念ながら、まだ邦訳はされていません。
私は英語でスラスラ読めるスキルはないので、英語の先生と一緒に少しずつ読み進めてきて、ようやくゴール目前というところまで来た、というところです。

 

◆◆◆「Grief Unseen」の内容 ◆◆◆

 

Grief Unseen」

さて、この本の内容を、まずは目次から紹介しましょう。

序章:形のない悲しみ
1, 私の物語

2, 夢を失うということ
3, グリーフワーク
4, 沈黙を歌う
5, セラピーにおけるアート
6, スタジオにおけるアート
7, 失われた伝統: バター、ヒキガエル、そして奇跡
8, 新しい儀式:喪失に対する創造的な応答
9, アートを通して, あなた自身の癒しの練習を作る
10, 創造的なアクティビティ

 

最初、この表紙にちょっとびっくりしますし、読むのが辛い箇所も多いのですが、
知らなかったことや、勇気づけられるところはそれ以上に多く、本当に素晴らしい本だと思います。

 

今後、このブログで、この本「Grief Unseen」のエッセンスを取り上げていきます。
ご意見等、どうぞよろしくお願いします。

 

 

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