赤ちゃんとの別れの悲しみ
つらい経験をされましたね。
胎内に宿ったいのちが突然その鼓動を止めてしまう
その衝撃は はかりしれません。
大切な赤ちゃんが天国に旅立ってから
あなたは
すべてが変わってしまった と感じていることでしょう
悲嘆(グリーフ)について
大きな喪失を体験すると
人は誰でも世界がこれまでとは全く変わってしまったと感じます。
失ったものを探し求め 思い焦がれ
なぜこんなことになったのかと問い続けたり
悲しみだけでなく 怒りや恨み、罪悪感など
様々なネガティブな感情が渦巻き続けたりします。
これらはグリーフ(悲嘆)の正常な反応です。
理解を得にくい悲しみ
喪失を経験した人は、悲しみを充分に表明する必要があります。
それなのに流産、死産の場合は
その想いを 周りの人から理解してもらいにくいことが多いです。
流産、死産という形で旅立った赤ちゃんは
世の中一般では その存在を認めてもらえないまま・・・
だけど あなたにとっては、大切な大切な家族だったのです。
善意の励ましなのだろうけど・・・
周囲の人は、励ますつもりでこんなことを言うことがあります。
「いつまでも悲しんでいてはだめよ」「また次の子を産めばいい」
大切な赤ちゃんを亡くしたのに、
どうして悲しんではいけないのでしょう。
たとえ次の子が生まれたとしても、
その子どもは 亡くなった赤ちゃんとは別なのです。
あなたが失ったのは、誰にも代えられない大切な子だったのです。
渦巻く感情の嵐
自分を責める思いが こみ上げてくるかもしれません。
周囲の人への怒りが 湧き上がってくるかもしれません。
何気ない普通の出来事が 耐えがたい苦しみになることもあります。
赤ちゃんを抱いた親子とすれちがったり・・・
そのときに流行っていた音楽が聞えてきたり・・・
でもこれは全部正常な反応です。
だって あなたは赤ちゃんを亡くしたのですから。
悲しみを押し殺してしまうと・・・
あなたは自分で自分に言いきかせたかもしれません。
「悲しむのはやめよう」「たいしたことではない」「次のことを考えて前を向こう」
だけど 無理に悲しみを押し殺すことは
後になってじわじわと自分をむしばんでくることがあるのです。
悲しみを感じないようにすることは自分の心を殺してしまいます。
そして喜びや幸せをも感じられなくなってしまう
そんなことにもなりかねません。
悲しむことは愛情の証し
たとえ一緒に過ごした時間はわずかだったとしても
あなたの赤ちゃんは 確かにいのちを受け
あなたの中に生きていました。
あなたが赤ちゃんを愛していたのは 確かな思いです。
悲しみを語ることは
大切な赤ちゃんへの愛を語るのと同じなのです。
赤ちゃんへの想いを語るための アートセラピー
でも、日常生活の中で 悲しみを心置きなく語れる場は
なかなかありません。
アートセラピーは
ゆっくり赤ちゃんへの想いを表す場を提供します。
色を塗ったり 素材に触れたりする中で
言葉では言い表せない想いを 表すことができます。
思いが色や形になって現れるときに、
悲しみと一緒に封印していた自分の中の優しさや豊かさも 現れ出てきます。
心の傷を あたたかい涙に変える
アートには 心をよみがえらせる力があります。
悲しみが消えることは おそらくないでしょう。
でも、切り裂くような苦しみを
アートは あたたかな涙へと変えることができます。
「じょうず、へた」は関係ありません
「絵は苦手だから…」「不器用だから…」
アートセラピーは、そんな心配はいりません。
じょうず、へた ではないのです。
想いを語るときに、話術の巧みさを競うわけではないのと同じです。
アートセラピーは、
色を塗ったり、ただ貼り付けたり、
誰でもできるシンプルな方法を使って 心に働きかけます。
アートで赤ちゃんに愛を届けましょう
心の中にある 言い尽くせない想い。
忘れようとして押し込めていた想い。
色や形となって現れた自分の心をみつめることで、
自分を 赤ちゃんを 家族を
新しい気持ちでみつめなおし、さらに深く あたたかく 愛することができるように
天国に旅立った愛する赤ちゃんと
心と心で 新たなつながりを得ることができるように
アートセラピーはきっと助けになることでしょう。